「ひだ」は、名古屋と高山・富山をむすぶJRの特急列車である。特急ひだに大きな荷物を乗せるかたに向けて、荷物置き場などの状況をまとめる。
特急ひだに使用されるのは「HC85系」とよばれる、電気がないところでも走れるハイブリッド車両だ。2022年にデビューしたばかりの新型で車内はとても綺麗である。ズラリと並んだオレンジ色の座席が青一色の東海道新幹線とは好対照で、目に鮮やかでいて安心感を与えてくれるデザインだ。コンセントはアームレストに内蔵されているので必要な人は見落とさないように。Wi-Fiも完備されている。
各車両の高山・富山方にはラック式の荷物置き場があり、予約することなく利用できる。一般的な上下2段になっているタイプで、細長いものの収納には不向き(楽器や折り畳み自転車くらいなら上段に置けそう)であるほか、空港行きの特急で見るようなロック機能もない。したがって、手荷物はできるだけ自分の席の近くで管理したほうがよい。上段には落下防止のバーがない代わりに傾斜がついており、スーツケースなどが転がり落ちないようになっている。
座席の上の荷物棚は標準的なサイズである。ただし照明の出っ張りがあるので、厚さが35cm以上あるものは置けない可能性が高い(筆者のスーツケースの大きさはこちらに掲載)。大きな荷物ははみ出ると思うが、真下から見て4分の3以上が棚にかかっていれば落ちる心配はない。
荷物が落下して他の人に当たる、というニュースを聞くようになった。安全な置き方をするほど場所を取るので、混んでいるときは荷物をむりやり押し込んだり、中途半端な置き方にならざるを得ないかもしれない。それでもほかの乗客を危険にさらさないために、なんとかスペースを見つけて対処してほしいと思う。
もちろん荷物を小さくできるならそれに越したことはない。それが大前提だ。そのうえで、このブログを活用していただけたら幸いである。
もし荷物棚が混んでいて使えないなら、残る選択肢は足元置きだ。しかし100Lクラスのスーツケースだとそれはきびしい。もうひと回り小さければゆとりが出てくるし、場合によってはテーブルも使えそうだ。繰り返しになるが、荷物は小さくまとめるに越したことはないのだ。
HC85系では、デッキに荷物置き場はもうけられていない。単純に場所が足りないのか、デザイナーの矜持なのかは分からないが、この車両はデッキのデザイン性が高いのでおそらく両方あると思う(洗面台横の「ナノミュージアム」には沿線の伝統工芸品が展示されている。旅行前とかにちょっと見ておくと楽しい)。
大荷物があるからといって、デッキや通路に置くことは避けるように。定められたスペースを利用し、マナーを守って移動を楽しみたい。