関空特急「はるか」の荷物置き場について

 

関空特急「はるか」の荷物置き場について

「はるか」は、1994年の関西国際空港の開港に合わせてデビューしたJRの特急列車で、おもに京都・新大阪と関西空港をむすんでいる。特急はるかに大きな荷物を載せるかたに向けて、荷物置き場などの状況をまとめる。

関空特急「はるか」の荷物置き場について 関空特急「はるか」の荷物置き場について

特急はるかには各号車にラック式の荷物置き場があり、予約することなく利用できる。走りはじめた当時から荷物置き場はあるが、2020年デビューの新型車両「271系」ではデッキから客室内への設置に変更され、より安心して使えるようになった。

271系はいまのところ3両編成×6本しかないので、出会うチャンスは少ない。しかし荷物置き場がデッキから客室に移ったのは、間違いなくよい流れである。

このような車両がこれからどんどん増えていくことを期待している。

関空特急「はるか」の荷物置き場について 関空特急「はるか」の荷物置き場について

その荷物置き場は、大勢の訪日客が乗る空港特急に恥じないサイズである。筆者のスーツケース(100L)が小さく見えてしまうほどだ。これが1両につき4か所もあり、キャパシティはまったく問題ない。上段には少し角度がついていて、列車のゆれで荷物が落ちないようになっている。

※スーツケースの大きさはこちらに掲載。

関空特急「はるか」の荷物置き場について 関空特急「はるか」の荷物置き場について

座席の上にはもちろん、荷物棚もある。こちらもかなり大きく、特に高さにはゆとりがある。身長や腕力に自信がなくても荷物を出し入れしやすいように、棚の位置が低くなっているためだ。

関空特急「はるか」の荷物置き場について

走行中の車内の様子。271系は荷物置き場が多く、乗り心地もよい優れた車両だが、コロナウイルスのせいでいまだに本領を発揮できていないことは残念だ。この日も休日の朝8時台とはいえ、とても9両編成にふさわしい輸送量ではなかった。

一刻も早く旅行需要が戻ることを願うばかりだ。

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【参考】旧型車両(281系)について

関空特急「はるか」の荷物置き場について

1994年デビューの旧型車両「281系」についても少しだけ触れておく。

関空特急「はるか」の荷物置き場について 関空特急「はるか」の荷物置き場について

前述したとおり、281系ではデッキに荷物置き場がある。席に着くと荷物の周りの様子をほとんど確認できないので、車掌さんにことわって荷物にワイヤー状の鍵をつけるなど、盗難防止をしたほうがよいだろう。

大きさに関しては、上段はともかく下段なら十分で、筆者のスーツケースも収納できた。ほかにも細長いものが数か所あり、スキーグッズなど長尺物にも対応している。

 

関空特急「はるか」の荷物置き場について

281系では、京都方の先頭車(1号車)はグリーン車である。料金は京都〜関西空港で普通車指定席の金額+770円(ただし時期差あり)で、そこまで高くないのがうれしい。

関空特急「はるか」の荷物置き場について 関空特急「はるか」の荷物置き場について

座席の間隔は1160mmもあり、1人あたりの占有面積は広い。フットレストは安っぽいバータイプだが、荷物の邪魔にならない点は◎だ。

関空特急「はるか」の荷物置き場について

【2022年10月24日追記】

コロナウイルスのせいで長いこと昼間の運用を間引かれていた特急はるかだが、政府の水際対策の緩和もあり、11月1日からようやく本来のダイヤに戻されることになった。これからは見かける機会もうんと増える。

ただしそれでもコロナ前の輸送量にはおよばず、すべての車両がフル稼働とはいかないようだ。当面は写真の281系がメインで運用され、271系(←荷物置き場が客室の中にあるほうね)は京都5:45発と9:30発、関西空港6:31発と7:27発の計4本の「7〜9号車のみ」で運用される「可能性がある」という状況だ。

なんにせよ、これから少しずつ活躍の場を取り戻していくのは間違いないだろう。静かに様子を見守りたい。

 

近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる

「アーバンライナー」は、大阪のミナミの繁華街・難波と名古屋をすばやくむすぶため、1988年にデビューした近鉄の特急車両である。

 

近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる

いまは新型車両にフラッグシップの座をゆずり、アーバンライナーは停車駅が増えてスピードは少し落ちた。それでもアーバンライナーの「名阪特急」はまだ健在で、1日にかなりの本数が難波と名古屋の間を走っている。アーバンライナーに大型スーツケースを載せるかたに向けて、荷物棚の大きさやそのほか荷物置き場の状況についてまとめる。

近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる 近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる

アーバンライナーがデビューした1988年は、荷物置き場といえば座席の上の棚が大本命だった時代であり、スーツケースを載せるならこの棚が頼みの綱となる。大きさは申し分なく、100Lの筆者のスーツケースでさえすっぽりと収まった(スーツケースの大きさはこちらに掲載)。

80年代の車両でここまで立派な荷物棚をそなえているケースは、なかなかめずらしい。いつの時代も近鉄特急には先見の明がある。

近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる 近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる

アーバンライナーは座席の間隔もかなり広く、足元を荷物置き場として使えるのは強みだ。前の人がリクライニングをしていたらややきびしくはなるが、荷物の厚さが25cmまでならまったく問題ない。

フットレストがついているが、小さいので荷物を置くのに邪魔になることはなさそうだ。テーブルは座席の背面ではなくアームレストから出すタイプなので、よほどのことがない限り荷物とバッティングすることもない。

近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる 近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる

一方で、デッキは最近の車両にくらべると手狭で古さが見え隠れしている。扉はさすがに自動だが、バスのような折りたたみ式でどこか昭和チックだ。車椅子対応設備の近くだけはプラグドアになっており多少は近代的だが、荷物を置ける棚やロッカーのたぐいはどの号車にも存在しない。

近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる 近鉄特急「アーバンライナー」にスーツケースを載せる

トイレと洗面台は当然として、デッキには飲み物の自動販売機が1か所と、喫煙コーナーが全体で2か所(8両編成では3か所)ある。喫煙コーナーはかつて通路をはさんで両側にあったが、受動喫煙が問題視されてからは片側のみとなり、もう片方はデッドスペースになってしまった。

これを改造して荷物置き場にすれば間違いなくサービスアップだが、もう先の長い車両ではないのでむずかしいか。