特急「やくも」にスーツケースを載せる

 

特急「やくも」にスーツケースを載せる

「やくも」は、岡山と出雲市をむすぶJRの特急列車である。特急やくもに大型スーツケースを載せるかたに向けて、荷物棚の大きさやそのほか荷物置き場の状況についてまとめる。

特急「やくも」にスーツケースを載せる 特急「やくも」にスーツケースを載せる

JR西日本の特急はデッキなどに荷物置き場をもうけていないケースが多く、「やくも」も例外ではない。したがって荷物は客室に持ち込まざるをえない。しかも「やくも」の車両(381系)はデビューから40年以上が経っており、デッキの雰囲気はやや陰気くさい。リニューアル工事はされているが、段差の多い床や金属がむき出しの乗降扉など、昭和チックなものが多く残されている。

特急「やくも」にスーツケースを載せる

客室の様子。こちらはデッキ以上に徹底的にリニューアルされており、さほど古さは感じさせない。ただし荷物置き場は、座席の上の棚以外にはもうけられていない。

特急「やくも」にスーツケースを載せる 特急「やくも」にスーツケースを載せる

足元はリニューアルを経て少し広くなっており、大きなスーツケースでもなんとか置くことができる。座席と窓枠の位置がズレているのは、リニューアル前の座席の間隔がせまかったときの名残だ。写真のような、景色を楽しめない「ハズレ席」が何か所かある。

特急「やくも」にスーツケースを載せる 特急「やくも」にスーツケースを載せる

座席の上の棚は高さが約30cmで、幅が約35cmである。10cm以下のはみ出しに目をつむるなら、置ける荷物の大きさは幅45cm以下ということになる。いわゆる「機内持ち込み」サイズよりもひと回り大きいくらいだ。

筆者のスーツケースは上下はギリギリで、はみ出しはかなり大きくなってしまった(スーツケースの大きさはこちらに掲載)。これより大きなものは、最後部席の後ろくらいしか置けるところがない。

特急「やくも」にスーツケースを載せる

最後部席の後ろはわりと広く、厚さが35cmくらいまでのスーツケースを置くことができる。楽器やスポーツ用品など、棚に載せにくい荷物があるときもこのスペースに頼らざるをえないだろう。

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

 

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

寝台特急「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」には、全部で以下の5種類の個室がある。

  • シングルデラックス
  • サンライズツイン
  • シングルツイン
  • シングル
  • ソロ

このうち純粋な1人用個室は「シングルデラックス」「シングル」「ソロ」の3つだ(シングルツインは追加料金で2人用にすることができる)。

安い部屋ほどスペースは限られていて、大きな荷物を持ち込むのはむずかしい。しかし「シングルデラックス」はシングルにくらべて+6,000円とズバ抜けて高いうえにチケットも取りづらく、最も安い「ソロ」は荷物置き場はかろうじてある(過去の記事でピックアップ済み)ものの、人が立つのもむずかしいほどせまい。

この記事では、ほどほどの広さを持つ一般的な個室「シングル」の荷物置き場の状況をまとめる。

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

「シングル」は14両編成のうち、1,2号車、6-9号車、13,14号車の8両(+5号車と12号車に2部屋ずつ)にあてがわれており、サンライズ号ではメジャーな設備である。満席に近いときでも、シングルは最後まで売れ残っていることも多い。

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】 サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

シングルの車両はダブルデッカーになっており、2階と1階にそれぞれ9部屋ずつある。どちらも料金はまったく同じで、券売機での位置づけも一緒だが、2階(左の写真)のほうが少しだけ広い。

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】 サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

ベッド脇スペースの寸法を測ってみると、違いは明らかだ。2階は幅が26cmあるのに対して、1階は15cmしかない。これは地面に近づくほど建築限界がきびしくなるためで、1階は幅を取ることができないのだ。

ベッドの幅に差はなく、どちらも70cmである。

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】 サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

このスペースに筆者のスーツケース(70L)を載せてみる。2階ではすっぽりと収まるのに対して、1階ではベッドに大きくはみ出てしまう。

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】 サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

床置きをするにしても、やはり2階のほうがゆとりがある。2階では100Lクラスのスーツケースでも収まりそうなのに対して、1階では壁(扉)と荷物の間にほとんどすき間がない。

1階では、厚さが27cm以上のスーツケースの床置きはできないので注意が必要だ。

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】 サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

シングルには2階と1階以外にも、数は少ないが平屋タイプの部屋もある(前述した5号車と12号車の2部屋もこれにあたる)。このタイプはどの部屋も台車のほぼ真上のため、音とゆれはにぎやかだが天井が高くて開放感がある。

サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】 サンライズ瀬戸/出雲の荷物置き場【シングル編】

荷物スペースの広さは2階の部屋とほぼ同じ水準で、床置きもバッチリだ。平屋も大きな荷物があるときにはおすすめである。

【まとめ】

① 「シングル」は、サンライズ号で最もスタンダードな設備。

② 「シングル」には、2階と1階と平屋の3タイプがある。

③ 大きな荷物があるときは、2階または平屋がおすすめ。