特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について

「成田エクスプレス」は、新宿や大船など首都圏の主要駅に発着し、東京駅を通って成田空港までをむすぶJRの特急列車である。成田エクスプレスにスーツケースなど大きな荷物を載せるかたに向けて、荷物置き場の状況をまとめる。

 

特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について

現在の成田エクスプレスの車両(E259系)は、2009年にデビューした2代目だ。すべての号車にダイヤル式ワイヤ錠と防犯カメラのついた荷物置き場があり、セキュリティが大きく強化されている。

この荷物置き場は3段式で、下段には100Lのスーツケースを縦置きに、中段には横置きに収納できる寸法が確保されている。筆者のスーツケースもすっぽりと収まった。

※スーツケースの大きさはこちらに掲載。

特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について 特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について

ワイヤ錠は暗証番号式なので、くれぐれも設定した番号を忘れたりしないように。

つまみの横にある小さなフタを開けるとワイヤーの先端が現れるので、フックからはずして荷物の適当なところにかける。ダイヤルは初めは0000になっているので、好きな番号にセットしてからつまみを"LOCK"に合わせる。するとダイヤルが勝手に0000にもどり、先ほどセットした番号に合わせるまでフタが開かなくなる。これでロック完了だ。

特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について 特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について

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特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について 特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について

ここまで紹介した荷物置き場は、セキュリティ万全で使いやすい一方、座席の上の棚は空港特急にしては控えめな大きさだ。棚の幅は約40cmあり、100Lまでのスーツケースなら問題なく載せられるのだが、できればあと5cmくらいほしいところだ。

 

特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について 特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について

E259系で特筆するべきは、座席の下を荷物置き場として使えることだ。

鉄道では飛行機やバスと違って、座席を回転させないといけない。したがって座面の下には往々にして、回転させるための仕掛けを組み込むことになり、このようなスペースができるのはめずらしい。

特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について 特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について

さすがにこのスペースに大きな荷物を置くことはできないが、床とのすき間はちょうど25cmで、機内持ち込みサイズのスーツケースに対応している。ただし機内持ち込みの上限(幅40cm)に対して、窓側は壁に沿って機器があるため幅は37cmしかなく、モノによっては置けないこともある。完全に対応しているのは通路側だけだ。

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特急「成田エクスプレス」の荷物置き場について

西日本の「はるか」と同じくコロナで大減便を喰らった不遇な列車だが、10月1日からすべての列車が運転再開されていて、復調の気配を見せはじめた。

私鉄には簡単に真似できない、幅広なネットワークが成田エクスプレスの強みである。最初に紹介した新宿と大船だけでなく、八王子発着の列車も2往復運転されている。車内には通勤客の姿もあり、都心と多摩地域南部とのアクセス強化という役割もあるようだ。

北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】

※この記事は、2021年2月26日に公開した「北陸新幹線(E7系)の荷物置き場について」の内容を部分的に移して再構成したものです。

北陸新幹線「かがやき」「はくたか」、上越新幹線「とき」などの車両(E7系)では、金沢・新潟方から2両目の車両(11号車)がグリーン車である。

 

北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】

グランクラスのデビューで事実上の「二等車」となったグリーン車だが、サービスの質そのものが落ちぶれたわけではない。むしろグランクラスがやや失速気味(北陸新幹線では2022年10月から、グランクラスアテンダントの乗務がかがやき号だけになり、はくたか号では廃止)となったいまでは、グリーン車のニーズは高まっているともいえる。

E7系の普通車には、スーツケースやスキーグッズなどを置ける予約不要の荷物置き場があるのだが、グリーン車ではなぜか客室の中ではなく、デッキにもうけられた。

北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】 北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】

グリーン車の荷物置き場は小ぶりでやや使いづらいのだが、高さがあるので大きな荷物でも立てて収納できる。転落防止のバーがついており、列車のゆれで荷物が落ちたり、通路にとび出たりするのを防いでくれる。

北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】 北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】

この荷物置き場は一見すると2段式だが、実は真ん中の棚板は可動式で簡単に折り畳むことができる。小ぶりとはいえ、これでスキー板など長尺物であってもOKだ。スキー旅行でわざわざグリーン車に乗る人は少ないだろうが、知っていればいつか役に立つはずだ。

北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】 北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】

この荷物置き場の大きな問題点はセキュリティの弱さである。グリーン車のデッキで人通りが少ないとはいえ、油断できない。中は完全な空洞ではなく細い手すりのようなものがあるので、これを使って荷物をワイヤーロックなどでくくりつけることならできる。車掌さんにアポを取ってからやったほうがよいと思うが、トラブルを避けるためにこのくらいは考えておきたい。

 

北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】 北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】

北陸新幹線に限った話ではないが、グリーン車だからといって荷物棚が大きいわけではない。棚の大きさは普通車と変わらず、幅が45cmを超えるスーツケースを載せるのはやや危険である。したがって荷物棚を使わないとなると、荷物置き場(←座席の上ではなく出入り口の近くにあるラック式のやつね)の使いやすい普通車のほうがおすすめで、グリーン車イコールなんでもかんでも広いという考えは的を射ていない。

北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】 北陸新幹線(E7系)の荷物置き場【グリーン車編】

ただしグリーン車は座席の間隔が普通車よりもさらに広いので、足元に荷物を置きやすいというメリットはある。東海道新幹線など、ほかの路線ではフットレストが邪魔で足元に置けないケースもあるが、北陸新幹線ではいまのところその心配はない。

グリーン料金が2022年3月に値上げされたのは痛いが、グランクラスよりはまだずいぶん安い。状況によってはグリーン券に投資するのもありだろう。