東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

 

東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

最近の新幹線や特急列車では、インバウンドの追い風を受けて荷物置き場の整備がすすみ、スーツケースなど大きな荷物を持ち込みやすくなった。多くの人が利用する東海道新幹線も例外ではなく、「特大荷物スペースつき座席」(2020年5月〜)や「荷物コーナー」(2023年度〜予定)など、JRもあの手この手を打って出ている。

筆者は東海道新幹線の荷物スペースつき座席はわりと使いやすいと思っているが、ほかの路線に目を向けると、自分の席から離れたところに荷物を置かざるをえないケースがあり、防犯上あまり好ましくない。また座席の上の棚(以下、荷物棚とよぶ)も車両によって大きさに違いがあり、大きな荷物ははみ出たり、載せることすらできないときもある。

そこでこのブログでは、

① 荷物棚以外で荷物を置けるところはあるか。あれば使いやすさはどうか。

② 荷物棚には、どのくらいの大きさの荷物を載せられるか。

この2つに加え、乗ってみて気づいたことなども混ぜながら、路線や車両ごとに解説していくことにする。この記事はその第1弾だ。

東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる 東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

つづいて筆者のスーツケースを紹介する。

大きさは幅47cm、厚さ28cm、高さ75cmで、1週間以上の旅行に対応できるものだ。立てたときの高さがかなりあり、飛行機に載せるときは貨物室に預け入れとなる。

東海道新幹線では2020年5月、それまではっきりしていなかった車内への大型荷物持ち込みルールが整理された。その要点はざっくり以下の2つだ。

① 3辺合計が160cmを超える荷物は、持ち込むのに予約が必要。

② 予約して持ち込んだときは、最後部席の後ろ(特大荷物スペース)に荷物を置ける。

筆者のスーツケースは3辺合計が150cmなので、ギリギリ予約なしで持ち込める大きさというわけだ。

 

東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる 東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

「特大荷物スペースつき座席」は一部の指定席車両にもうけられており、「要予約」と書かれた床の貼り紙が目印だ。「特大」をうたうだけあって広さは申し分ない。

自由席など、特大荷物スペースがない(=貼り紙がない)車両では、そもそもオーバー160荷物の持ち込み自体が認められていないので注意が必要だ。勝手に持ち込んでしまうと、手数料として1,000円を支払わなければならない。

東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる 東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

筆者のスーツケースは特大荷物スペースに置かなくてよいのは書いたとおりだが、だからといって利用が禁止されているわけではなく、きちんと手続きをすればスペースを利用できる。

このスペースは前の座席とセットで販売されるため、自分の席が荷物から離れてしまう心配がなく、料金も通常と変わらない。このあたりは制度的に優れていると思う。同じ新幹線でも、座席を撤去して予約のいらない荷物置き場をもうけた北陸新幹線に対して、こちらは車両にはなるべく手を加えずにソフトウェア対策を推してきた印象がある。

 

東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる 東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

ここまで特大荷物スペースについて書いたが、東海道新幹線の車両「N700/N700A」は荷物棚も優れており、筆者のスーツケースもすっぽりと収まる。幅が約40cmあり、高さも40cm(天井の低い1号車と16号車は35cm)あるので、かなり大きな荷物でも載せられるサイズだ。

「荷物棚は航空機の機内持ち込みサイズが限界」などと書かれた記事をたまに目にするが、大ウソだということがよくわかる。

東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる 東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

N700/N700Aは座席の間隔も広いため、足元に荷物を置くこともできる。筆者のスーツケースはさすがに圧迫感があるものの、これより小さなものなら余裕で置けると言ってよい。なんらかの理由で棚に載せられない荷物があるなら、足元置きもおすすめだ。

ただしテーブルは出せない。テーブルも使うなら、機内持ち込みサイズくらい小さくないとダメだ。

東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる 東海道新幹線(N700/N700A)にスーツケースを載せる

デッキの様子。執筆時点で荷物を置けるところはないが、最初に書いたとおり「荷物コーナー」が2023年度からもうけられることになっている。2か所ある洗面台のうち、片方をつぶして設置する(ただし新型車両「N700S」では初めから設置されている)とのことで、荷物棚や特大荷物スペースとあわせて、荷物置き場がさらに増える。

「荷物コーナー」は特大荷物スペースと同じく指定席とのセット販売になり、二重ロック方式で荷物を固定できるようになるため、セキュリティも確かなものとなりそうだ。