特急「ラピート」の荷物置き場について

難波と関西空港をむすぶ南海電鉄の特急「ラピート」には、客室の中にラック式の荷物置き場がある。

 

特急「ラピート」の荷物置き場について

東京2020オリンピックの開催が決まった2013年頃から、日本でも車内にこうしたスペースをもうける列車は増えつつある。しかし元々が空港アクセス専用であるラピートは、1994年にデビューしたときにはすでに荷物置き場をそなえていた。

デッキにスペースをもうける車両が多い中、客室の中にあるだけでも強みだが、ラピートの荷物置き場はなんと鍵つきである。難波から関空までは40分ほどの道のりでしかないが、セキュリティは万全だ。

特急「ラピート」の荷物置き場について 特急「ラピート」の荷物置き場について

仕組みはシンプルで、右の鍵(ラミネートされたキーホルダーがついている)をひねるとワイヤーが抜けるので、これを荷物の適当なところにくくりつける。あとはワイヤーを戻して鍵を抜き、目的地までなくさずに持っていればOKだ。

ラピートは途中の駅での停車時間が短いので、終点まで行かないときは前もって降りる準備をしておくように。

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※スーツケースの大きさはこちらに掲載。

 

特急「ラピート」の荷物置き場について 特急「ラピート」の荷物置き場について

座席の上にも荷物棚はあるが、見た目に配慮してか、すべてがフタつきのハットラックになっている。これはどちらかというと手荷物用で、あまり大きな荷物には向かないタイプだ。

特急「ラピート」の荷物置き場について 特急「ラピート」の荷物置き場について

ハットラックのサイズは、開口部ベースで高さが30cmで長さが約70cmであった。機内持ち込み可のスーツケースならば問題なく入る大きさだ。筆者のスーツケース(100L)は寝かせても幅が75cmあるので、ここに載せることはできない。

特急「ラピート」の荷物置き場について 特急「ラピート」の荷物置き場について

荷物を目の届くところに置きたいときは、足元を使うのがおすすめだ。座席の間隔が新幹線並みに広いためで、荷物の厚さが25cmまでなら余裕で置けるし、それより1〜2cm大きくてもまだ足を入れる隙間がある。

ラピートはそれほど長い距離を走る列車ではないが、2クラス制となっていることも特徴だ。ここからは、210円の差額でさらに広々している「スーパーシート」を取りあげる。

 

特急「ラピート」の荷物置き場について

ラピートは6両編成で、難波方の2両がスーパーシートである。「レギュラーシート」が2列+2列であるのに対し、こちらは2列+1列になっていることも特徴だ。

特急「ラピート」の荷物置き場について 特急「ラピート」の荷物置き場について

座席の間隔は、レギュラーシートにくらべてスーパーシートのほうが17cmも広い。そもそもレギュラーシートでもそれなりに広いので、スーパーシートのこの広さは圧巻だ。前後だけでなく左右にもゆとりがあるため、大きな荷物であっても余裕で置ける。料金もリーズナブルなので、思い切って乗ってみてはいかがだろうか。

特急「ラピート」の荷物置き場について

さてこのラピート、なんといっても見た目のインパクトが強烈だが、荷物置き場が使いやすくて乗り心地もよく、中身もちゃんと作り込んである車両だと感じた。

同じく関空を発着する列車としてはJRの「はるか」があり、出発あるいは目的地が新大阪や京都であればそちらのほうが便利である。しかし難波や天王寺であれば、アクセスのよさだけではなくサービスの面から考えても、筆者はラピートの利用をおすすめしたい。

上越新幹線(E2系)の荷物置き場について

 

【2023年12月7日追記】

上越新幹線では2023年3月18日から、すべての列車が北陸新幹線と同じタイプの車両(E7系)で運転されるようになりました(くわしくはこちら)。この記事で取りあげる車両は、東北新幹線「やまびこ」「なすの」の一部に残るだけで、上越新幹線からは引退しています。

上越新幹線(E2系)の荷物置き場について 上越新幹線(E2系)の荷物置き場について

上越新幹線「とき」「たにがわ」、東北新幹線「やまびこ」「なすの」の車両(E2系)には、デッキに荷物置き場がある。

上越新幹線(E2系)の荷物置き場について

E2系は、1998年の長野オリンピックに合わせてデビューした古株の車両だ。長野方面からはすでに引退したが、2010年まで製造が続いたため一大勢力となっており、見かけるチャンスはまだまだ多い。

荷物置き場は10号車を除く各車両のデッキに1か所ずつ(2-4号車と6号車には2か所)あり、予約することなく利用できる。スキーグッズや楽器など、客室に持ち込むのがむずかしい大荷物があるときに活躍するはずだ。

上越新幹線(E2系)の荷物置き場について 上越新幹線(E2系)の荷物置き場について

E2系の荷物置き場は細長い形をしており、上段と下段でスーツケースなどを1つずつ置ける(ベビーカーを置いている人もいた)。真ん中のバーと棚板は簡単にたためるので、長尺物でもOKだ。

上のバーはスイングしないので、ワイヤーなどで荷物にロックをかけるなら上段を使ったほうがよさそうだ。下段にポンと置いただけでは、盗んでくださいと言っているようなことになってしまう。

上越新幹線(E2系)の荷物置き場について 上越新幹線(E2系)の荷物置き場について

細かい話だが、この荷物置き場の幅は号車によって少しずつ違うことがわかった。1号車と5号車は40cm(左の写真)、2号車と4号車は44cm、3号車は47cm(右の写真)である。6-9号車は未調査だが、そちらもおそらく一定してないと思われる。

とはいえ最もせまい幅40cmでも、さほど使いづらさを感じることはない。この記事の1枚目と2枚目の写真は40cmのところで撮影しているが、筆者のスーツケース(厚さ28cm)も問題なく置けていることがわかる。

 

上越新幹線(E2系)の荷物置き場について 上越新幹線(E2系)の荷物置き場について

座席の上の荷物棚も大きな荷物に対応している。筆者のスーツケースはそれなりにはみ出るが、それでも横幅の4分の3以上が棚にかかっており、落ちることはなさそうなのでこれでよしとした。壁に対して鋭角な棚のため、これより小さなもの(幅45cm以下)ならまったく問題ない。

高さは見たところ35cmくらいで、デッキの荷物置き場ほどではないがこちらもゆとりがある。東日本の新幹線は、天井に置き忘れ防止用の鏡がついているところが親切だ。

上越新幹線(E2系)の荷物置き場について 上越新幹線(E2系)の荷物置き場について

座席の間隔は最近の車両にくらべると少しせまく(それでも在来線の特急よりは広い)、筆者のスーツケースには足元置きはきびしかった。一応置くことはできるが、前の人がリクライニングをしたらアウトである。足元に無理なく置ける荷物のサイズは、厚さ25cmまでである。