※この記事は、2021年2月26日に公開した「北陸新幹線(E7系)の荷物置き場について」の内容を部分的に移して再構成したものです。
北陸新幹線「かがやき」「はくたか」、上越新幹線「とき」などの車両(E7系)では、金沢・新潟方から2両目の車両(11号車)がグリーン車である。
グランクラスのデビューで事実上の「二等車」となったグリーン車だが、サービスの質そのものが落ちぶれたわけではない。むしろグランクラスがやや失速気味(北陸新幹線では2022年10月から、グランクラスアテンダントの乗務がかがやき号だけになり、はくたか号では廃止)となったいまでは、グリーン車のニーズは高まっているともいえる。
E7系の普通車には、スーツケースやスキーグッズなどを置ける予約不要の荷物置き場があるのだが、グリーン車ではなぜか客室の中ではなく、デッキにもうけられた。
グリーン車の荷物置き場は小ぶりでやや使いづらいのだが、高さがあるので大きな荷物でも立てて収納できる。転落防止のバーがついており、列車のゆれで荷物が落ちたり、通路にとび出たりするのを防いでくれる。
この荷物置き場は一見すると2段式だが、実は真ん中の棚板は可動式で簡単に折り畳むことができる。小ぶりとはいえ、これでスキー板など長尺物であってもOKだ。スキー旅行でわざわざグリーン車に乗る人は少ないだろうが、知っていればいつか役に立つはずだ。
この荷物置き場の大きな問題点はセキュリティの弱さである。グリーン車のデッキで人通りが少ないとはいえ、油断できない。中は完全な空洞ではなく細い手すりのようなものがあるので、これを使って荷物をワイヤーロックなどでくくりつけることならできる。車掌さんにアポを取ってからやったほうがよいと思うが、トラブルを避けるためにこのくらいは考えておきたい。
北陸新幹線に限った話ではないが、グリーン車だからといって荷物棚が大きいわけではない。棚の大きさは普通車と変わらず、幅が45cmを超えるスーツケースを載せるのはやや危険である。したがって荷物棚を使わないとなると、荷物置き場(←座席の上ではなく出入り口の近くにあるラック式のやつね)の使いやすい普通車のほうがおすすめで、グリーン車イコールなんでもかんでも広いという考えは的を射ていない。
ただしグリーン車は座席の間隔が普通車よりもさらに広いので、足元に荷物を置きやすいというメリットはある。東海道新幹線など、ほかの路線ではフットレストが邪魔で足元に置けないケースもあるが、北陸新幹線ではいまのところその心配はない。
グリーン料金が2022年3月に値上げされたのは痛いが、グランクラスよりはまだずいぶん安い。状況によってはグリーン券に投資するのもありだろう。